【宗教法人設立】宗教法人の解散を徹底解説(任意解散)

こんにちは。建設業許可、外国人ビザ、宗教法人設立に強い行政書士の木村亜矢です。

今日は、宗教法人についてです。

先日、このような記事が出ていました。
『代表者は20年以上前に死亡『活動実態がない』宗教法人に解散命令請求 税の“優遇措置”悪用防ぐ 熊本』
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkk/1580347?display=1

昨今、弊所への解散手続きのお問い合わせも増えています。
記事にもありますが、不活動宗教法人は全体の5%を占めると言われています。
不活動宗教法人は悪用される可能性もありますし、宗教法人全体への信用度を下げます。

しかしながら、宗教法人の解散手続きは決して簡単なものでありません。
適正な手続きが必要となります。適正な手続きをするための前段階からの準備が必要になる場合もあります。

そこで今日は、宗教法人の解散について解説します。

 


 

1. 宗教法人の解散は2種類

はじめに、「解散」とは、今までの活動を停止し、清算状態に入ることをいいます。
その「清算」とは、財産関係を整理することをいいます。この清算が終了すると、法人は消滅します。

宗教法人の解散は2種類あります。「法定解散」と「任意解散」です。


法定解散」、つまり法律によって定められている状態になったら、法律によって解散することを指します。宗教法人自身の意思とは無関係の解散と言えます。

具体的には、

  1. 規則で定める解散事由の発生 

  2. 合併、破産手続開始の決定 

  3. 所轄庁の認証の取消し 

  4. 裁判所の解散命令 

  5. 包括宗教法人にあってはその包括する宗教団体の欠乏

があります。

これらに該当したら、つべこべ言わずに解散しないとダメです!ということですね。
法定解散もたくさん解説したいことがあるので、別の機会を設けたいと思います。


一方、「任意解散」は、宗教法人の意思で解散することを指します。
けれども、宗教法人はひとりではありません。責任役員、総代、信者、利害関係人などなど多くの方が関わっています。誰かひとりが「明日、解散しよっと」と思って直ぐに解散できるものではありません。

ですから、宗教法人が任意に解散しようとするときは、宗教法人法、そしてそれぞれの規則に定める手続きを確実に厳格に経なければなりません。

 

2. 任意解散の流れ

宗教法人の任意解散は下記のような流れで進めます。

  1. 宗教法人それぞれの規則で定める解散の手続きをする

  2. 規則で定める公告をする

  3. 解散認証申請をする

  4. 書類の審査

  5. 受理通知

  6. 解散認証

  7. 解散認証書及び同謄本の交付

  8. 解散登記及び清算人就任の登記

  9. 解散届

  10. 清算結了登記

  11. 清算結了届


なかなかのボリュームですね。詳しく見ていきましょう。

 

3. 規則で定める解散の手続き

大前提として、宗教法人は、それぞれの宗教法人が定める「規則」が大変重視されています。
宗教法人を設立する時も、規則を作成し、その規則の認証を得てから設立します。
規則は宗教法人法に基づいて作成しなければなりませんし、設立後も規則に則る運営が求められます。そして、解散も然りです。

宗教法人が何かしらの理由で解散しようとする場合、はじめに規則に定められた手続きに従って宗教法人の「意思」を決定します。

宗教法人にとって解散は最重要事項の為、その意思決定の方法も厳しく定められていることが一般的です。
具体的には、責任役員会の議決、総代会等の同意、包括宗教団体の承認などが求められていることが一般的です。

万一、解散の手続きが規則に規定されていない場合は、責任役員会において、責任役員の定数の過半数の議決で決定されることになります。

 

4. 公告

宗教法人法の大きな特徴は、「認証制度」「責任役員制度」そして「公告制度」と言われています。解散は、その宗教法人の信者や利害関係人にとっても最重要な問題です。

従って、任意解散しようとする宗教法人は、規則で定められた公告の方法に基いて、解散の公告をしなければなりません。
この公告には「解散に意見があれば、〇年〇月〇日までに申し述べよ」と記載しなければなりません。
そうですよね、公告だけして意見を受け付けなければ公告の意味がありません。

そして、解散について信者や利害関係人から意見が述べられた場合は、その意見を十分に考慮し、再度意思決定をやり直すなどの検討をしなければなりません。

ちなみに、申し出の期間は、「公告の日から二月以上の期間」とされています。
つまり、公告後二月以上の据え置き期間が必要となっています。
ここからもわかるとおりに、解散は想像以上に時間を要し、前もってのスケジューリングも求められます。

 

5. 解散の認証申請

申出期間を経過後は、所轄庁に対して解散の認証申請をします。提出する書類は、下記のとおりです。

  1. 認証申請書

  2. 解散の決定を規則で定める手続きを経たことを証明する書類
    (責任役員会議事録などですね)

  3. 公告をしたことを証明する書類

 

6. 解散の認証

解散の認証申請がなされると、所轄庁は申請書類に形式上の不備がなければ「受理」をします。受理の日を記載した書面を申請者に通知します。
そして、所轄庁はその書類及び内容を審査します。その手続きが宗教法人法と規則に基づいて、適正に行われていますか。それを適正に証明できているか。これらを審査するわけですね。

一方、解散が適法であると認められた時は認証を決定し、適法ではない、または適法であると認められない時は、認証できない旨の決定を行います。

尚、所轄庁は、不認証の決定をしようとするときは、あらかじめ申請に対し、相当の期間内に意見を述べる機会を与えなければならないとしています。
そして、任意解散の効力が生じるのは、所轄庁から解散に関する認証書が交付されたときからとされています。


解散手続きの続き、そして法定解散については、長くなってしまうので別記事にします。少しの間、お待ちください。

 
 

著者プロフィール

著者:木村 亜矢(行政書士)
木村行政書士事務所代表。法政大学法学部卒業後、一橋大学大学院法学研究科を修了。建設業許可申請、宗教法人関連手続き、外国人雇用・在留資格(ビザ)申請など幅広い分野をサポートし、全国建行協や所沢商工会議所に所属。埼玉県所沢市を拠点に、地域と企業の発展を支える行政書士として活動中。→ 事務所概要はこちら


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