【宗教法人設立】宗教法人設立の基礎知識:4つの必須条件を詳しく解説

建設業許可、外国人ビザ、宗教法人設立に強い行政書士の木村亜矢です。
今日は宗教法人設立についてです。

 


 

1. 宗教法人ではないと宗教活動はできないの?

日本は憲法第20条で信教の自由、第21条で結社の自由を保障しています。
そのため、個人で宗教活動を始めることも、団体として宗教活動を行うことも自由であり、宗教法人である必要はありません。
ただ、権利の主体としての「法人格」を備えるためには、宗教法人として認証を受ける必要があります。

「⁠憲法第20条 
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。 いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2. 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3. 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

憲法第21条 
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2. 検閲は、これをしてはならない。 通信の秘密は、これを侵してはならない。⁠」
 

2. 権利の主体としての「法人格」とは?

権利の主体としての「法人格」とは、法的に権利能力を有する者のことです。
そして、「権利能力」とは、法律上の権利と義務の主体となることができる資格のことを意味します。

権利能力があるのは人(自然人、私たちですね)と法人です。契約の当事者となって権利を得ることや義務を負うことができます。
つまり、権利の主体としての「法人格」を備えるとは、私たち「人」と同じように法律的な「人格」を与えて、人と同じように法的な行為ができるようにすることを意味しています。

 

3. どうしたら宗教法人になれるの?

宗教法人法第1条には、このように書かれています。

「⁠宗教法人法第1条 
この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。⁠」
 

なるほど、ここにも書かれていますね。宗教団体に法律上の能力を与える ― つまり、宗教団体に「法人格」をあたえることを、この宗教法人法は目的にしていると書かれています。

では、誰に対して法人格を与えるのでしょうか。もう一度条文を読んでみましょう。
これはすぐに答えが見つかりますね。そう、「宗教団体」ですね。

では、どの宗教団体でもいいのでしょうか?
最初にお話ししたとおり、団体として宗教活動を行うことは自由なので、実際にさまざまな宗教団体が存在しています。

この答えは次の条文に書かれています。

「⁠宗教法人法第2条 
この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。⁠」
— 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
 

つまり、個人でも団体としても宗教活動を行うことは自由ですよ、でも宗教法人になれるのは、宗教法人法で定めている「宗教団体」の条件を満たしている団体だけですよ、となっています。

つまりつまり、この「宗教団体」としての条件を満たすことが宗教法人の設立の条件となっている、このように言えるわけです。

 

4. 宗教法人設立の4つの必須条件とは?

先ほどの宗教法人法第2条を再度見てみましょう。

「⁠宗教法人法第2条 
この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。⁠」
— 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
 

この条文に数字を振ってみます。

「⁠宗教法人法第2条 
この法律において「宗教団体」とは、
①宗教の教義をひろめ、
②儀式行事を行い、及び
③信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。⁠」
— ④礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体

ここから4つの条件を満たす必要があることがわかります。

【4つの条件】

  • 宗教の教義を広める

  • 儀式行事を行う

  • 信者を教化育成する

  • 礼拝施設を備えている

もう少し説明を足してみます。

【4つの条件】

  • 宗教の教義を広める:
    前提として教義があり、それを人々に広める活動をしている

  • 儀式行事を行う:
    儀式行事が継続して日常的に行われている

  • 信者を教化育成する:
    信者を日常的に教化育成している

  • 礼拝施設を備えている:
    おおやけに開かれた礼拝施設を有している


これが宗教法人設立4つの条件となっています。
次に1つ1つ確認してみましょう。

 

5. 教義を広めるとは?

段教義とは、それぞれの宗教(教派)の教えの内容や主張を体系化したものです。
前提として、この教義が必要です。この教義を広めるとは、教義を同じくする人々が集まり、それを多くの人に広めたり勧めたりする、つまり布教活動をすることを指します。

一見、宗教団体としては当たり前のように感じますが、考えが定まっていない、人には勧めることはない活動をしている場合は宗教団体とはみなされません。

 

6. 儀式行事を行うとは?

儀式行事とは、信仰の対象とするものに対し、感謝、祈願、祈祷等を具現化した儀礼的式典のことを指します。
ただし、宗教法人法では、宗教上の事柄には関与しないことになっているため、その形式、方法などはそれぞれの宗教団体に委ねられています。

けれども、教義にのっとり、信者の方々が継続して日常的に参加できなければ、それはそもそも儀式行事とは言えません。
形式、方法などはたしかにそれぞれの宗教団体に判断が委ねられていますが、教義に則った儀式行事を行っていることは必須条件となります。

 

7. 信者を教化育成するとは?

教義を広めるにしても、儀式行事を行うにしても、その対象として信者の存在も必須となります。
信者とは、特定の宗教や宗派を信仰する者のことを言います。信者に信仰を帰依させ、育成していく活動をしていることも必須条件となっています。

 

8. 礼拝施設を備えているとは?

最後に、おおやけに開かれた礼拝施設を有していることが必須条件となっています。
具体的には、神社、寺院、教会、修道院等の境内建物が一般的な礼拝施設とされています。
そこでは教義を広め、儀式行事を行いながら信者を教化育成するが主な目的とされています。ですから、信者の信仰を守るために、常に誰でも自由に出入りができる場所であることが求められています。

このように、宗教法人は、宗教法人法で求められている条件をクリアしなければ設立することができません。
宗教法人のエキスパートは全国的にも多くはいません。適正な宗教法人の設立そして運営をプロに任せてみませんか。
弊所は宗教法人の設立のお手続き、そしてコンサルティングまで幅広く対応させていただいております。もし困りごとがありましたら、いつでもお問い合わせください。

 
 

著者プロフィール

著者:木村 亜矢(行政書士)
木村行政書士事務所代表。法政大学法学部卒業後、一橋大学大学院法学研究科を修了。建設業許可申請、宗教法人関連手続き、外国人雇用・在留資格(ビザ)申請など幅広い分野をサポートし、全国建行協や所沢商工会議所に所属。埼玉県所沢市を拠点に、地域と企業の発展を支える行政書士として活動中。→ 事務所概要はこちら


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