【外国人のビザ】外国人雇用の基礎知識:在留資格の種類と就労可能な業務内容

こんにちは。建設業許可、外国人ビザ、宗教法人設立に強い行政書士の木村亜矢です。
今日は外国人ビザについて解説します。

「人手不足」は、日本を含む多くの国で現在大きな課題となっています。
特に高齢化が進む日本では、労働力の減少が深刻な問題となり、建設業や介護、サービス業など多くの産業で影響が出ています。
この問題に対処するための一つとして、外国人労働者の受け入れが進められています。きっと御社も、一度でも外国人の雇用を検討した/検討している/検討したいとお考えになったことがあると思います。

そこで、今日は「外国人雇用の基礎知識」について解説したいと思います。

 


 

1. 「在留資格」という言葉を聞いたことはありますか?

はじめに質問です。
「在留資格」という言葉は聞いたことはありますか?

実はこの「在留資格」は、外国人雇用において基礎中の基礎のワードになります。
ただ、肌感覚としてあまりメジャーではないような気がしています。

それでは「ビザ(VISA)」という言葉は聞いたことがありますか?

これはきっと多くの方が知っているワードではないかなと思います。
日本語では「査証」と言います。
厳密に「ビザ(査証)」を定義しますと、

「ある国に入国する時に、その国の政府が発行する許可証」

のことです。
ビザは、外国人が特定の目的(例えば観光、仕事、留学など)でその国に滞在することを許可するもので、通常、パスポートに貼られるスタンプやシールとして発行されます。

つまり、

「ある国に行きたい!」と思ったら、その国から「いいよ!」と許可をもらわないと行けませんよね。でも、その国としては「誰でもいつでも来ていいよ!」としてしまったら国の安全が守れませんよね。

そこで、

「どういう目的で来たいのか?」
「その目的は適切か?」
「その目的で来る外国人を入れることは国として得か?」
「この外国人を入れても大丈夫か?」

などなどを審査します。

そして、「オッケー、この外国人入れてもいいよ!」となったら許可を出して、それを入国の時にすぐに見せられるよう、パスポートにスタンプやシールで貼ってあげる — これが「ビザ(査証)」です。

ビザの取得には、申請書類や身分証明、渡航先での滞在目的を証明するための書類が必要です。また、国によって、ビザの種類、申請プロセスおよび条件が異なります。
そして、日本でも、日本に入国して滞在するためのビザを取得する時に特定の目的が必要です。この特定の目的に応じて与えられる法的な資格が「在留資格」です。

つまり、「在留資格」とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な法的な資格のことです。
在留資格は、その外国人が日本でどのような活動を行うかに応じて決まります。そして、その在留資格で許可される範囲での活動だけができるとなります。

少し難しいですね。ここで日本でお仕事をしたいベトナム人のグエンさんに例となってもらいましょう。
グエンさんは日本のアニメが好きです。だから、日本も大好きです。そんな大好きな日本で仕事をしたいと考えました。
まずは日本に行くための「ビザ」を取得しなければいけませんよね。
そのビザを取得する為には特定の目的に応じた「在留資格」を得ないといけませんよね。

そこで、グエンさんは日本のイミグレーションへ「在留資格」を認めてください!と申請を出します。
グエンさんが日本語をしたいお仕事は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動が当てはまるようです。

グエンさんはその在留資格「技術・人文知識・国際業務」を認めてもらうために、例えばグエンさんの学歴や職歴、日本で就くお仕事を証明する書類とともに申請します。
そして、在留資格「技術・人文知識・国際業務」が認められたら、この在留資格に基いた「ビザ」をもらって来日できるという流れになります。

また、日本に滞在している間は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で認められている範囲の活動のみができることになります。

ここで大切なことは、日本に在留する外国人は必ず何かしらの在留資格を得なければいけません。そして、その在留資格には認められている活動の範囲があり、その範囲内でなければ活動できません。
つまり、その在留資格で御社の仕事に就くことができるか? ― この確認が大変重要であり、これに反していた場合は法律違反となってしまいます。

 

2. 「在留資格」はどういう種類がありますか?いくつありますか?

先に数から言いますと、今現在(2024年10月)は29種類の在留資格があります。
その種類は大きく分けて、就労系、非就労系、身分系、特定活動そして永住者に分類されます。

① 就労系の在留資格

就労が許可される在留資格で、主に専門的な職業や技術職に関するものです。
その就けられる仕事内容に応じて在留資格が許可されます。

主な就労系の在留資格

  • 技術・人文知識・国際業務(一番メジャーです)

  • 高度専門職

  • 技能

  • 介護

  • 経営・管理 など

② 非就労系の在留資格

就労が基本的に許されていない在留資格で、留学や家族の勤務に帯同してきた方などがこれにあたります。

主な非就労系の在留資格

  • 留学

  • 家族滞在

  • 研修

  • 短期滞在 など

③ 身分系の在留資格

日本人や永住者の家族など、身分に基づいて与えられる資格です。これらの在留資格は就労の制限が少ないか、全くありません。

主な身分系の在留資格

  • 日本人の配偶者等

  • 永住者の配偶者等

  • 定住者 など

④ 特定活動

特定の目的や活動に基づいて個別に認定される資格です。
在留資格は「特定活動」となり、その中で特定の目的や活動に基いて個別にプラスして認定されるイメージです。

時代に応じて様々な活動が生じます。ただ、これを毎回法改正して在留資格を増設すると時間がかかりますし、時代のニーズに応えることができません。そこで、在留資格「特定活動」の中で個別に定めるかたちが取られています。

主な特定活動で指定される活動

  • ワーキングホリデー

  • 特定技能への移行期間

  • 就職活動 など

⑤ 永住者

基本的には在留期限の更新が必要なく、就労の制限もありません。

 

3. どの「在留資格」が就労可能ですか?どのような業務内容に就けますか?

ではいよいよ、どの在留資格が就労可能を確認していきましょう。

はじめに就労可能かどうかだけを見ますと、

①就労系

③身分系

⑤永住者 が就労可能です。

ただ、②の非就労系でもアルバイトの許可(「資格外活動許可と言います」)を取ることができる在留資格もあります。
そして、④の特定活動も指定された活動に応じて就労が認められているものもあります。

次に、どのような業務内容に就けられるかを確認していきましょう。

就けられる業務の内容に制限がないのが ③身分系 ⑤永住者 です。
一方、①の就労系は、その業務内容に応じて在留資格が分かれています。
そのため、その在留資格がどのような活動を許可しているかを確認にすることが大変大切になります。

つまり、「御社で就かせたいと考えている業務」と「在留資格で認められている活動」が一致しているかの確認がとてもとても大切になってきます。

 

4. 「在留資格」はどうしたら確認できますか?

在留資格は、外国人が携帯している在留カードで確認することができます。
在留カードは、日本に住んでいる外国人に発行されるカードです。
在留カードは、滞在中の身分証明書であり、カードには次の情報が記載されています。

  • 氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地

  • 在留資格

  • 在留期間

  • 在留期間の満了日

  • 就労の可否に関する情報 など


在留カードは常に携帯することが義務付けられています。
そして、雇用主が外国人を雇用する際、在留カードの確認義務が法律で定められています。
そのため、雇用主は外国人が適法に就労できるかどうかを確認しなければなりません。これが義務であることを忘れないように気を付けてください。

ここまでの解説をお読みになっていかがでしょうか?

在留資格が大切だ、在留カードを確認しなければならないなどは分かったけど、そんな29種類もある在留資格の内容なんてわからないし、ましてや特定活動はその中で活動が更に指定されているし、うちの業務にどの在留資格が就けられるとか判断難しいよと思われた方も多いのではないでしょうか。

私は、この在留資格の判断が外国人雇用の最初のカナメだと考えています。
これを誤ると申請が全く見当違いなものになってしまいますし、誤って雇用してしまった場合、雇用主側本人側にとって大変不幸な結果となってしまいます。

正直、外国人を雇用する際の在留資格に関する申請は、専門家に任せてしまった方が良いと私は考えています。外国人を雇用したい/雇用するとお考えになった時は、是非私たちにご相談してください。しっかりと適切にお手続きをさせていただきます。

 
 

著者プロフィール

著者:木村 亜矢(行政書士)
木村行政書士事務所代表。法政大学法学部卒業後、一橋大学大学院法学研究科を修了。建設業許可申請、宗教法人関連手続き、外国人雇用・在留資格(ビザ)申請など幅広い分野をサポートし、全国建行協や所沢商工会議所に所属。埼玉県所沢市を拠点に、地域と企業の発展を支える行政書士として活動中。→ 事務所概要はこちら


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