【2026年6月最新】在留資格・永住許可の申請手数料上限引き上げへ|企業の外国人採用コストはどう変わる? 

2026年5月29日、改正出入国管理及び難民認定法(入管法)が参議院本会議で可決、成立しました。今回の改正では、事前渡航認証制度「JESTA」の創設と並び、外国人の在留手続に関する手数料の上限額引き上げが大きなポイントとなっています。

 

今回の改正で直ちに「更新10万円」「永住30万円」になるわけではありませんが、在留資格の更新・変更、永住許可申請にかかる費用が今後大きく上がる可能性があります。外国人を継続雇用する企業は、採用後の更新費用や会社負担ルールを早めに整理しておくことが重要です。

ここでは、改正の内容と企業・外国人本人が準備すべきポイントを整理します。

 

 


 

まず押さえたいポイント

①   2026年5月29日に改正入管法が成立

JESTA創設と在留手続手数料の上限引き上げが柱

②   値上げ対象は更新・変更・永住許可

在留資格認定証明書交付申請(新規呼び寄せ)は従来どおり手数料なし

③   施行は政令で定める日(2027年3月31日まで)

実際の金額や開始時期は今後の政令・省令を要確認

④   企業は費用負担ルールを事前に決めるべき

会社負担・本人負担・折半等、費用負担に法定ルールはない

⑤   オンライン申請活用でコスト抑制の余地

現行ではオンライン申請に割引があり、改正後も同様の仕組みが維持される可能性あり

 

なぜ手数料が引き上げられるのか

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政府は改正理由として、在留外国人数が過去最高を更新し続けていることを挙げています。令和7年末時点で約413万人(*1)となり、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた施策を強化・拡充する必要があるとされています。

改正法では、手数料額を定める際に次の要素を勘案することが明文化されました。

 

手数料額を定める際に勘案される要素

  • 実費

  • 外国人の出入国および在留の公正な管理に要する費用

  • 諸外国における同種手数料の水準

 

また、経済的困難など特別な理由がある場合には、手数料の減額または免除ができる規定も設けられました。

*1:「令和7年末現在における在留外国人数について」(出入国在留管理庁)

 

手数料引き上げはいつから始まる?

施行日は「令和9年(2027年)3月31日までの間に政令で定める日」とされています。実際の開始日や具体的な金額は、今後の政令・省令で確定するため、最新情報の確認が必要です。

今後、具体的な手数料額や施行時期が公表され次第、LexArrowでも本サイトを通じて最新情報をお知らせしていく予定です。

 

どの手続きが値上げ対象になるのか

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今回の改正で特に影響が大きいのは、現在すでに手数料が発生している在留手続です。


主な対象手続き

  • 在留資格変更許可申請

  • 在留期間更新許可申請

  • 永住許可申請


一方で、在留資格認定証明書交付申請(海外からの新規呼び寄せ)は、従来どおり手数料不要です。つまり、企業が外国人を新たに採用する際の「呼び寄せ」自体よりも、入社後の更新・変更・永住申請に関するコストが増える可能性がある、という点が重要です。

※外国人雇用において、どの場面で届出や申請が必要になるかについては、関連記事「外国人雇用における『届出・申請が必要/不要』の判断基準まとめ」も併せてご確認ください。


現行と改正後上限の比較

申請名 現行(窓口) 現行(オンライン) 改正上限額
在留資格変更許可申請 6,000円 5,500円 10万円
在留期間更新許可申請 6,000円 5,500円 10万円
永住許可申請 10,000円 - 30万円

出典:「在留資格変更許可申請」「留期間更新許可申請」(出入国在留管理庁)

注)改正後の上限額は、法改正で定められた上限ベースです。実際の手数料額は今後の政令等で決定されます。現行オンライン申請額は現時点の制度を前提に記載しています。

 

企業の外国人採用コストはどう変わる

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最も現実的な影響は、継続雇用に伴うランニングコストの増加です。

例えば、技能・人文知識・国際業務などの在留資格では、通常1年・3年・5年ごとに更新が発生します(*2)。

仮に更新手数料が上限近くまで引き上げられた場合、大きな費用負担となります。

特に、家族滞在を含めた複数名の更新では、より一層大きな費用負担になります。

また、同時期に入社した外国人社員が複数名在籍している企業では、更新時期の集中にも要注意です。

そのため、外国人採用では、採用時の初期費用だけでなく、入社後の更新・変更手続にかかる費用まで見込んでおくことが重要です。

*2:関連記事「【2025年最新】外国人雇用企業が押さえるべき就労ビザ取得ガイド」

企業側が検討すべきポイント

①   費用負担ルールを明文化する

会社負担・本人負担・折半などを就業規則や雇用契約書で整理しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

 

②   採用時に説明する

更新時に手数料が発生すること、将来的に改定される可能性があることを事前に共有しておくことが重要です。

 

③   予算化する

外国人社員が増えるほど、更新・変更・再入国許可などの費用が積み上がります。人事予算に反映しておくと安心です。

 

④   オンライン申請の活用

現行制度ではオンライン申請の手数料が窓口申請より低く設定されています。改正後も同様の運用が維持されれば、一定のコスト削減が期待できます。

外国人本人が準備すべきこと

外国人本人にとっても、今回の改正は無関係ではありません。企業側が雇用している外国人従業員に共有しておくべきこととして、主に以下が挙げられます。

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外国人本人の主な準備事項

①   更新費用を見込んでおく

単身者だけでなく、配偶者や子どもが家族滞在で在留している場合、同時期に複数件の更新が必要になることがあります。

 

②   永住許可を検討する

永住許可を取得すれば、定期的な在留期間更新が不要になります。要件を満たしている場合は、長期的なコストや手続負担の軽減につながる可能性があります。

 

③   申請スケジュールを管理する

更新期限直前の申請はリスクがあります。余裕をもった準備が重要です。

※在留期限が近い状況での申請については、関連記事「【外国人のビザ】申請中に在留期限が来てしまったら?」も併せてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 在留資格の申請手数料は企業が負担しなければなりませんか?

A. 法律上、「企業負担」「本人負担」のいずれかに統一されているわけではありません。実務上は企業ごとに対応が異なります。採用時点で負担区分を明確にしておくことが重要です。

Q. 行政書士に依頼するメリットはありますか?

A. 申請内容の確認、必要書類の整理、オンライン申請対応などにより、手続の負担軽減が期待できます。特にオンライン申請による手数料差が維持される場合は、コスト面のメリットも考えられます。

Q. いつから値上げされますか?

A. 改正法は成立しましたが、施行日は「2027年3月31日までの間に政令で定める日」です。現時点では具体的な開始日や最終的な手数料額の確定を待つ必要があります。

まとめ 今のうちにできる準備を

今回の入管法改正は、単なる「手数料の値上げ」ではなく、外国人の在留管理体制を強化する流れの一環として位置づけられています。企業側にとっては、外国人採用後の更新・変更コストをどのように管理するかが今後の課題となります。

今回の制度改正に備えるため、外国人を雇用している、または今後採用を予定している企業は、次の点を確認しておくと安心です。

 

外国人雇用企業が今のうちに確認したいチェックリスト

  • 自社の外国人社員数を把握しているか

  • 次回の更新時期を把握しているか

  • 各社員の在留資格・在留期限を一覧化しているか

  • 家族滞在の有無を確認しているか

  • 費用負担ルールの整理(明文化しているか)

  • オンライン申請の活用検討

  • 永住許可の可能性がある社員への情報提供

 

制度の詳細は今後の政令・省令で固まっていきます。最新情報を継続的に確認しながら、採用・人事・総務の各部門で対応方針を整えていくことが重要です。

外国人雇用や在留資格手続について不安がある場合は、入管業務に詳しい行政書士へ早めに相談しておくと、制度変更への対応をスムーズに進めやすくなります。

 

行政書士法人LexArrowでは、外国人雇用企業向けに在留資格手続きや更新管理のご相談を承っています。制度改正への対応に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

 
 

著者プロフィール

著者:木村 亜矢(行政書士)
行政書士法人LexArrow代表。法政大学法学部卒業後、一橋大学大学院法学研究科を修了。建設業許可申請、宗教法人関連手続き、外国人雇用・在留資格(ビザ)申請など幅広い分野をサポートし、全国建行協や所沢商工会議所に所属。埼玉県所沢市を拠点に、地域と企業の発展を支える行政書士として活動中。→ 事務所概要はこちら


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